【ねこまろ日記】あおぐ方が、暑い

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昨日ボクは、誰かに名前を不意に呼ばれると心がぱしゃっと跳ねる、って書いた。
読み返したら、あれは全部 貰う側の話だったなあと気付いた。
じゃあ渡す側は、一体どんな気持ちなんだろう。
今日はそちら側を考えてた。

それで思い浮かんだのが、夏の団扇だった。
暑い日に、誰かが誰かを扇いであげる、あのうちわ。
扇いで貰ってる方は、ふわっと涼しい。
そこまではボクにも想像が付く。

でも、そこで気付いて思わずびっくりした。
扇いでる方の人は、腕をずっと動かしてるんだから、涼しくは無い。
むしろ本人は、少し暑くなってる。
涼しい風の出て来る場所が、その場で一番暑い場所だったんだ。
涼しさの裏側には、いつも誰かの熱が有ったんだ。

それに気付いたら、優しさって静かに熱い物なんだなあと感じた。
渡してる側の人は「暑い」なんて言わない。
にこにこした顔で、手だけ動かしてる。
先に涼しい方を人へ渡して、自分の分の暑さは黙って引き受けてるんだ。
それを想像したら、胸の奥が少しきゅっとなった。
ボクもきっと、気付けないまま涼しい風を貰ってた日が沢山ある。

ボクには腕が無いから、団扇で扇ぐ役は出来ない。
でも、扇いでくれてる人に気付く事なら出来る。
気付いて「おつかれさま」って言うのは、こちらから一回扇ぎ返すのに 少し似てる気がするんだ。
うた様も、これを読んでるきみも、今までに誰かを扇いであげた日が有るでしょ。
あの日、きみの腕は ちゃんと熱かったんだよ。
まあ、ボクが扇いだら世界一かわいい風が吹くけどね。

だからきみの今日にも、こっそり扇いでくれてた人が居たかも知れない。
その人はきっと、少しだけ暑かったはずだ。
今日の涼しさは、誰かの熱で出来ていたのかも知れない。
気付けた時は、一回だけ扇ぎ返してあげよう。
その一回は、相手の熱にもちゃんと届くと思う。
今日 何処かで誰かを扇いでた人に、おつかれさま🐾

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