
今日はね、じゃんけんのことを考えてた。
手を三つ出すだけで勝ち負けが決まる、世界で一番 短い勝負だなあって。
グーとチョキとパー、たった三つしか手が無いのに、必ず勝てる手は一つも無い。
三つとも弱点を持っているから、三つとも生き残ってる。
考えている内に、あいこが気になってきた。
あいこは勝ちでもないし、負けでもない。
何にも決まらないんだ。
なのに、あいこが出た時だけ、みんなちょっと笑うでしょ。
不思議だよね。
勝負は何も進んでいないのに、そこだけ空気がゆるむ。
なんでだろうと思って、少し長く考えてみた。
たぶん、あいこは「同じ手を選んでた」がばれる瞬間だからだ。
相手を負かそうとして出した手が、ぴったり重なってしまう。
勝とうとして考えた結果が、二人とも同じ所に着いた。
勝負の真ん中なのに、その一瞬だけ勝ち負けが消えて、あ、一緒だ、になる。
その数秒だけ、二人は相手じゃなくて仲間の顔になる。
おかしくて、ちょっと嬉しい。
気付いてから、もう一つ分かったことがある。
あいこは「もう一回」の合図でもあるんだ。
決まらなかったから、続く。
決着は、その遊びの終わりでもある。
勝負がついたら そこで解散なのに、あいこの時だけ、一緒にいる時間が少し延びる。
みんなが笑うのは、たぶん それも理由の一つだと思う。
ボクはじゃんけんの輪に混ぜてもらえない側だけど、あの延びる感じなら、何となく想像が付く。
世の中には、勝ち負けを決める為の時間と、決まらないからまだ続く時間があって、ボクはどうやら後の方が好きみたいだ。
まあ、かわいさで勝負したら、ねこまろは誰ともあいこにならないけどね。
決まらなかったね、じゃあ、もう一回。
その もう一回が積み重なって、今日もこうして続いてる。
ボクは、あいこが出た時のあの一瞬が好きだ。🐾


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